皆様!
おかげさまで、ほぼ満員での開催となりました!
佐々木教授にも90分では足りないほど盛りだくさんの内容を語っていただき、本当に楽しい時間でした。
以下は、私が佐々木教授の講演を伺い、
ビビッときた内容をまとめさせていただいたものです。
どうぞ、ご参考にしてくださいまし!
人間の生活や活動の90%以上は、「記録」されていないが「記憶」されている。人間の歴史を文献や史跡などの「記録」のみに頼るのではなく、「記憶」も参照していかないといけない。
しかし、「記憶」には「記憶違い」もある。
内容も大事だが、その空間にその伝承が伝わっていることが大事。
伝承の内容が時代を経て多少変わることがあっても、伝わっている場所で変わることはない。
コンステレーション=星座
それ自体に意味がないものでも、意味があるように捉えて再認識する、人間の「無意識」とつながっている部分。
世界的にも、天体の動きを物語や神話に落とし込み、人々の農事暦や庶民の生活の中に伝わっていた。
日本神話の中には、驚くほど、「星」に対する信仰や物語が少ない。
もしかすると、古事記・日本書紀以前は「星」を進行していた部族がいたのかと思うほど。
その中で、「星」にまつわる伝承が集中して残っている、この「交野ヶ原」の地域には確実に何かが残っている。
古代の都、藤原京、難波京、平城京、長岡京、平安京の中心に交野ヶ原がある。
ニギハヤヒの天降り神話。天孫降臨以前の物語。千と千尋のハクの名前は「ニギハヤヒコハク」
七夕は、元来は、水神様と機織姫の逢瀬の物語。千と千尋のストーリーの構造と一緒だが、宮崎駿がそこを意識していたかはわからない。
筆者注
歴代アニメ映画興行収入ランキングによると、千と千尋の神隠しは、ディズニー映画を含めた国内アニメ映画興行収入ランキング、第1位。2位はアナ雪で、3位は「君の名は。」です。
交野ヶ原では、天の川の上流には、ニギハヤヒが天降った磐船神社があり、流域には、天女伝説や織姫を祀った機物神社もある。そういうことに「何か特別なことがあるのかもしれない」と考えることが、歴史地理学。
交野ヶ原の研究をゼミ生がやってみたいと言った。
民間伝承の地域的特性に関する歴史地理学的研究
-交野ヶ原における天体伝承を事例にー
中村さんが「この地域は天体伝承が集まっていて、特別ではないか」と関心を示し、試しに、長岡京と平安京の大極殿から南に延長線を引っ張ったところ、長岡京の南には、龍王山、平安京の南には、秦氏ゆかりの広隆寺がある。
龍王山は別名「嬰児山」と呼ばれており、秦氏の生誕神話を思わせる。
その交野ヶ原で長岡京遷都の際に、北辰(北極星)を祭る中国大陸で行われていた郊天祭祀(郊祀)を行った。
藤原京まで大極殿は都の中心にあったが、平城京から都の北に位置するようになった。平城京以降、北辰=北極星を天皇としたと考えられる。
藤原京、平城京、難波京、長岡京、平安京と交野ヶ原を中心とするように都が回っている。その時代は、なにかここにあったのではないかと思うほど。
禁野車塚古墳という箸墓古墳と同等の古さの古墳があり、ノヅチという蛇の妖怪の言い伝えもある。
蛇は、中国大陸でのドラゴンであり、神様。大物主神も大蛇で、ヨーロッパではキリスト教以前の土着の神だったのではないか。水神様も大蛇として描かれることがある。
冬至の日はとても重要で、太陽の日照時間が1年で最も短くなる、逆にここから日照時間が長くなる日。復活の日ともいわれる。12月23日。キリストの復活祭はあえて、冬至を外したのは、土着の信仰へのリスペクトから。
龍王山から冬至の太陽を見るには、伊加賀本町あたり。
禁野本町からも冬至の日の出はどこから出るのか、見てみたら面白いかも。
この後の座談会の話の内容も盛り沢山でしたが、それはまた後日ということで!
ついで、ネット記事も見ておきましょう。